2013年7月10日水曜日

#15 ひとりぼっちの比良山縦走 その④:2日目

2013.4.29
一夜明けて翌日。自分の現在地をGPSで確認。結局、僕が一夜過ごしたところは、南比良峠からの道と、堂満岳からの尾根伝いの道の間だった。(膝まで落ち葉でにっちもさっちも行かなかった道も念のために書いておきます。)西の当初のルートを探すか、東の尾根をめざすかと考えるが、総合的に考えてここは北に進路を取ることに決める。地図を見る限りでは崖は無さそうだが、本当に無いことを祈りつつ出発。

起きてすぐの体にはきつい坂を登ると、下りが出てきた。幸い崖は無かったものの、下りは登り以上に神経を使う。ビバーク地から20分程で、何とか山道に復帰。GPSもドンピシャで2つの山道の合流地点を指している。

山道から、下ってきた斜面を撮影。左に本当に小さなマーカーが見える。


そのマーカーから後ろを振り返って一枚。本当ならこの道を通ってくるはずだった。
どうしてこの道が見つけられなかったのだろうか。

その理由はこれかもしれない。マーカーが外れている。マーカーが外れていたのはここだけに限ったことではなく、今回の行程で至る所で落ちていた。こんな山もあるんやな。


何とか、金糞峠に到着。ここで反対方向(僕からみて進行方向)から来たソロのお兄さんと情報交換。ここまで如何にヒドい目にあったか、ビバークした経緯なんかを一通り説明すると、お兄さんも似たような目に遭っていたとのこと。お兄さんの話では、朽木方面から来たのだが、マーカーが余り無く道に迷ったが、運良くGPSを持っていた人が通りかかったので助かったらしい。

・・・。どうしよう。昨晩のロスで目的地の朽木まで結構な距離を残しているのに、また道迷いの可能性があるのか。しかも、今日の行程は全て未経験のコース。なんて悩んだのは僅か数秒。このお兄さんの話を聞いた瞬間に、コース変更を決定。蛇谷ヶ峰まで行かず、武奈ヶ岳を越えてイクワタ峠から国道にエスケープすることにする。無理な行程は厳禁なのだ。

金糞峠の標識から少し行ったところ。スゲー、テント設営しやすそう。
くそー本当やったらここで、楽しくテント泊してたところやったのに〜。

地元救助隊のベース。なんかボックスに避難道具置いてあるっぽい。


涼しげな清流。水が透き通っていて泳いでいる魚もよく見える。

金糞峠と八雲ヶ原の間にある赤い小屋と、この標識が目印。
この写真では分かりづらいが木の陰に水場がある。

水道管が破裂しているのか、はたまた湧き水なのか。
どちらにしても水はよく冷えていた。

比良スキー場跡地に到着。
こうやって雪の無いゲレンデを見ると結構な斜度なのよね。
心が折れるわ。

まだまだ続く。

琵琶湖沿岸から結構距離が離れてきた。

よっしゃー、武奈ヶ岳まであと少し!とここでポケットに入れていた地図を落としたことに気付く!うがー。iphoneのバッテリーをセーブする為に今日は地図とコンパスメインで行動してたのに、ここに来てこの失態。はー、駄目もとで探しに行くかいな。


はー、風もぴゅーぴゅー吹いているこんなゲレンデで地図なんか見つかるんかいなと、思っていたらあった〜!登り下りで30分ロスしたけど、何とか地図見つかりました。    

ここから見る景色、本日2回目。さっさと先を急ごう。

コヤマノ分岐やったかな?奥に見えるのが武奈ヶ岳

比良山系最高峰。武奈ヶ岳。標高1,214メートル。

ここからは気持ちのよい稜線が続く。ただ、4月の日差しは暑い。

釣瓶岳に到着。蛇谷ヶ峰まではここから約7.5キロ。
計画変更はやはり間違いではなかった。どう考えても時間が足りない。

エスケープ路があるイクワタ峠に到着。ザックを置いて少し休憩。
琵琶湖方面を見渡せば南比良山系が鎮座する。さあ、家まであと少しだ。

ここを左に下って行けば、ホトラ山を経由して国道に出れます。

いや〜、道が荒れてますね。立ち枯れした木が登山道を塞ぎまくってます。
これここだけちゃいますよ。ホトラ山近辺ずっとこんな感じ。

コメカイ道で靴を脱いでチョット休憩。ゴールまであと少しだ。とそのとき、道を聞いてきた初老の男性と出会った。聞けば学生時代では登山部に所属し、それからずっと山を登っているとのこと。久しぶりに比良山に遊びに来たが、「この山も変わったね。立ち枯れもヒドいが、山頂が鹿に食い荒らされてハゲ山になっている」と嘆いておられた。へー、昔は山頂もっとフサフサしてたんや。

倒れた木にお互い腰を掛けて10分程話をしただろうか。僕はゴールを前に完全に気が抜けてしまい、ゆっくりしていたら、男性は先に下山された。ここから麓までは大して距離はなかったのだが、下に付くとビックリ。先ほどの男性が私を待っていて下さり、車で送ってくれると申し出て下さった!

おじさんは、本当は京都方面に帰るのに、快く逆方向のくつき温泉まで送って下さった。お礼にジュースでもと思ったが、あっという間に立ち去ってお名前も聞くことが出来なかった。こういう時に、パッと気の利いた言葉が出てこないのがもどかしいかったけど、旅の最後に心温まる出会いでした。(完)







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